イタリアサッカーの伝統的な守備的戦術、カテナチオ

サッカーでは、一般的にロースコアの試合よりも得点がたくさん入った試合の方が、盛り上がり人気があると言われています。

イタリアサッカー

ブラジルやウルグアイなどの南米の国では、いかに攻撃的にクラブをまとめ得点を奪って勝利するかに重点が置かれています。

それとは反対に、イタリアでは伝統的に守備的なサッカーをしていかに得点をさせずに勝利するかに重点が置かれているのです。イタリア代表の守備はカテナチオと呼ばれており「かんぬき」を意味します。「かんぬき」とは、戸をガッチリ閉めるための木のことでサッカーではゴール前にかんぬきを掛ける、というような使い方をします。

このような戦術がイタリアで流行したのは20世紀中頃のことです。守備意識を高く持ち、ディフェンダーだけでなく相手ゴールに最も近いフォワードまでも自陣に戻りゴールを許さないことに集中します。守備を重視する戦術であるために、イタリアではバレージやネスタ、カンナバーロなど世界レベルのディフェンダーを多く輩出してきました。しかし、カテナチオを採用することで観客からはブーイングが起こることが頻繁にありました。なぜなら、応援しているクラブが攻撃を仕掛けるのはカウンターだけだからです。

ファンとしては、1対1の対決や華麗なパスワーク、個人技を見たいにもかかわらず守備しかしないのでは批判も多くなってしまうのです。

反対に、相手にゴールを許さず1点だけ獲って1-0で勝利するのが美しいと感じる人もいます。

このように、カテナチオは賛否両論が起こる戦術と言えるのです。